連立方程式は得意!という人でも、解き方を知らないと難しい問題もあります。普通連立方程式といえばx,yを求めるものですが、中には2組の連立方程式からx,yだけでなくa,bも求める問題があります。またA=B=Cと3つの式を=でつないだものもあります。
これらの連立方程式はどうやって解くの?前に習ったけどどうやって解くんだっけ?と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は2組の連立方程式から解を求める問題と、連立方程式A=B=Cを解く問題を解説します。連立方程式の加減法、代入法の解き方はわかっている人向けの問題です。
2組の連立方程式が同じ解のとき
次の2組の連立方程式は解が等しい。a,bの値を求めなさい。
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} -x+2 y=-9 \\ ax-by=12 \end{array} \right.\end{eqnarray}
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 3x-y = 17 \\ -bx-2ay=3 \end{array} \right.\end{eqnarray}
a,bの値を求める前に、解(x,yの値)を求める必要があります。
2組の連立方程式は同じ解を持つので、まずは
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} -x+2 y=-9 \\ 3x-y = 17 \end{array} \right.\end{eqnarray}
よりx,yを求めます。
上の連立方程式を解くと、
\[
x=5, y=-2
\]
となります。これを
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} ax-by=12 \\ -bx-2ay=3 \end{array} \right.\end{eqnarray}
上のa, bを含む式に代入すると
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 5a+2b=12 \\ -5b+4a=3 \end{array} \right.\end{eqnarray}
-5b+4a=3は4a-5b=3にして加減法を使えば解きやすいでしょう。
この連立方程式を解くと、
\[
a=2, b=1
\]
と求められます。
2組の連立方程式からa,bを求める問題を解く流れは、
- a,bを含まない方程式で連立方程式の組を作る
- x,yを求める
- a,bを含む連立方程式の組を作り、x,yを代入する
- a,bを求める
となります。
連立方程式A=B=C
次の連立方程式を解きなさい。
\[
3x+2y=-x-4y=-5
\]
A=B=Cタイプの連立方程式は、
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} A=B \\ B=C\end{array} \right.\end{eqnarray}
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} A=C \\ B=C\end{array} \right.\end{eqnarray}
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} A=B \\ A=C\end{array} \right.\end{eqnarray}
のいずれかで解きます。今回Cが数字のみなので A=C, B=Cが解きやすいでしょう。
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 3x+2y=-5 \\ -x-4y=-5 \end{array} \right.\end{eqnarray}
を解くと、
\[
x=-3, y=2
\]
となります。
【問題編】連立方程式 発展編
他の問題で同様の問題にチャレンジしてみましょう。
問1 次の2組の連立方程式は解が等しい。a,bの値を求めなさい。
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x+y=8 \\ ax-by=-1\end{array} \right.\end{eqnarray}
\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 2bx-ay =4 \\ 2x-y=1 \end{array} \right.\end{eqnarray}
問2 次の連立方程式を解きなさい。
\[
x+3y=7x+18y=-4x-y+17
\]
まとめ
2タイプの連立方程式の解き方を今回ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
1. 2組の連立方程式からa,bを求める問題では、まずa, bを含まない方程式で連立方程式の組を作ってx,yを求めるところからスタートする。
2. A=B=Cの連立方程式は、A=C, B=Cのように式を変形してから解く。
どちらの方程式もできるだけ簡単な連立方程式にする、というところは共通ですね。