今回は四分位範囲と四分位数について学習します。
四分位数と四分位範囲とは
四分位数はデータの値を大きさ順に並べて4等分にしたとき、3つの区切りの位置にくる値のことを指します。
小さい順に第1四分位数、第2四分位数、第3四分位数といいます。第2四分位数は中央値となります。(四分位数の定義は他にもいくつかあります。)
さらに第3四分位数から第1四分位数をひいた数を四分位範囲といいます。
四分位数は小さい順に並べたデータを4等分する値
四分位範囲は第3四分位数-第1四分位数
四分位数と四分位範囲の例
四分位数と四分位範囲の具体的な例を見てみましょう。(四分位数の定義は他にもありますが、今回は現行の教科書、塾用教材で教えているやり方で解いています。)
下のようなデータがあるとします。
40 50 60 60 70 80 90 90 100
すでに大きさ順になっているので、このままデータを4等分します。
40 40 50 60 60 70 70 80 90 90 100
まず中央値(第2四分位数)を求め、中央値を境にデータを分けて、さらに分けたデータの中央値(第1四分位数と第3四分位数)を求めます。
※ データが偶数個のときは中央値を入れますが、奇数個のときは中央値を入れずに分けたデータの中央値である第1四分位数と第3四分位数を考えます。
第1四分位数は50、第2四分位数は70、第3四分位数は90となります。
四分位範囲は第3四分位数から第1四分位数をひくと求められるので、90-50=40となります。
今回は4等分したときたまたま値がありましたが、下のように4等分してもちょうど4等分する値がないときがあります。
40 50 60 60 70 80 90 100
このデータを4等分します。
40 50 | 60 60 | 70 80 | 90 100
今回は4等分する位置に値がありません。この場合等分したときの|の左右2つの値の平均値を求めます。
第1四分位数は50と60の平均値、第2四分位数は60と70の平均値、第3四分位数は80と90の平均値になります。
よって、第1四分位数は55、第2四分位数は65、第3四分位数は85となります。
四分位範囲は第3四分位数から第1四分位数をひくと求められるので、85-55=30となります。
以上のように四等分した境目の値を四分位数、なければ境目の左右の値を四分位数とします。
【問題編】四分位数と四分位範囲
問 次のデータは13人の生徒の通学時間(分)を表したものです。
18 33 36 40 42 22 16 25 30 43 45 20 50
(1) このデータの第1四分位数、第2四分位数、第3四分位数を求めましょう。
(2) このデータの四分位範囲を求めましょう。
まとめ
四分位数と四分位範囲の求め方について確認しました。
データを4等分すれば良いのですが、データの数が偶数のときは中央2つの値の平均値を求めることに注意してください。
四分位数を理解できれば、箱ひげ図を書くのもそれほど難しくありません。