中3理科 化学変化とイオン 電解質・電離式・電気分解

※免責事項・・・当サイトに記載されているコンテンツや情報についてはできる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。情報が古くなっていることもあります。
当サイトに掲載された内容により生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
万一ミスがありましたら問い合わせフォームよりお知らせください。

イオンとは原子が電子を失ったもの、あるいは電子を受け取ったもので、+や-の電気を帯びたものです。水に溶けるとイオンに分離するものを電解質といいます。

今回は電解質が分離する様子を式で表した電離式の書き方、塩酸や塩化銅水溶液などの電解質水溶液で電気分解を行うと、イオンにどのようなことが起きるのか、さらに電気分解における電離式や化学反応式での表し方についても学習します。

スポンサーリンク

電解質と非電解質

電離

塩化ナトリウムは水に溶けるとナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl)に分かれます。このように物質を水に溶かしたとき陽イオンと陰イオンに分かれることを電離といいます。

電解質

電解質は水に溶けて電離し、電流が流れる物質のことです。電解質には以下のようなものがあります。

【電解質の例】

塩化水素、塩化銅、塩化ナトリウム、硫酸、水酸化ナトリウム

非電解質

水に溶かしても電離しない物質が非電解質です。非電解質になるものは中学理科の範囲では糖、デンプン、アルコール類と覚えておくと良いでしょう。

【非電解質の例】

ショ糖、ブドウ糖、エタノール、デンプン

電離式とは

電離式とは電解質が電離する様子を表したもので、化学式とイオン式で表します。

下に示した電離式のように、化学式→陽イオン+陰イオンが基本形となります。

【電離式】

塩化水素:HCl→H++Cl

塩化銅 :CuCl2→Cu2++2Cl

塩化ナトリウム:NaCl→Na++Cl

水酸化ナトリウム:NaOH→Na++OH

水酸化バリウム:Ba(OH)2→Ba2++2OH

水酸化カルシウム:Ca(OH)2→Ca2++2OH

硫酸:H2SO4→2H++SO42−

硫酸銅:CuSO4→Cu2++SO42−

硝酸:HNO3→H++NO3

酢酸:CH3COOH→H++CH3COO

アンモニア:NH3+H2O→NH4++OH

二酸化炭素:CO2+H2O→2H++CO32-

アンモニアと二酸化炭素は単独ではなく水分子との反応で陽イオンと陰イオンに分かれています。

イオンの価数は勝手に変えられないので、CuCl2→Cu2++2ClCuCl2→Cu2++Cl2-と書いたら間違いになります。

電離式を丸暗記するのは大変です。イオン式をしっかり覚えておけば、電離式が書きやすくなります。

【イオン式についてはこちらの記事でも説明しています。】

電気分解

電解質水溶液に電流を流すと、

陽極:陰イオンが引きつけられ、電子を渡す

陰極:陽イオンが引きつけられ、電子を受け取る

という現象が起きます。電子は導線を通って受け渡しされます。

塩化水素の電気分解

塩化水素(塩酸)を電気分解すると、次のようになります。

電離式:HCl→H++Cl

陽極:塩化物イオン(Cl)が引きつけられる→電子(e)を1個渡して塩素原子(Cl)に→塩素分子(Cl2)になり塩素が発生する(2Cl→Cl2+2e

陰極:水素イオン(H+)が引きつけられる→電子(e)を1個受け取って水素原子(H)に→水素分子(H2)になり水素が発生する(2H++2e→H2

電気分解の化学反応式:2HCl→H2+Cl2

塩化銅の電気分解

塩化銅を電気分解すると、次のようになります。

電離式:CuCl2→Cu2++2Cl

陽極:塩化物イオン(Cl)が引きつけられる→電子(e)を1個渡して塩素原子(Cl)に→塩素分子(Cl2)になり塩素が発生する(2Cl→Cl2+2e

陰極:銅イオン(Cu2+)が引きつけられる→電子(e)を2個受け取って銅原子(Cu)に→赤褐色の銅が陰極に付着する(Cu2++2e→Cu

電気分解の化学反応式:CuCl2→Cu+Cl2

塩化銅水溶液は青い色をしていますが、この色は銅イオンの色です。電気分解をすると銅イオンが減るので、青い色が薄くなっていきます

電気分解と電離の違い

電気分解は電解質水溶液に電流を流して陽イオンを陰極に、陰イオンを陽極に移動させて分解すること、電離は水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることです。

どちらも陽イオンと陰イオンに分かれていますが、電気分解では「電流を流して」分けます。

【問題編】電解質・電離式・電気分解

問1 次の中から電解質となるものを選びなさい。

エタノール 食塩 砂糖 ブドウ糖 デンプン

問2 塩化水素の電離式を書きなさい。

問3 塩化銅の電離式を書きなさい。

問4 水酸化ナトリウムの電離式を書きなさい。

問5 水酸化カルシウムの電離式を書きなさい。

問6 酢酸の電離式を書きなさい。

問7 塩化銅水溶液を電気分解すると、陽極では何が発生するか。

問8 塩化銅水溶液を電気分解すると、陰極に何が付着するか。またその物質は何色か。

問9 塩化銅水溶液は何色か。

問10 塩化銅水溶液を電気分解すると、問9で答えた色がどうなるか。

まとめ

・水に溶かして電離する物質 → 電解質、電離しない物質 → 非電解質

・非電解質は糖、デンプン、エタノールなどのアルコール

・電離式は「化学式→陽イオン+陰イオン」

(例)NaCl→Na++Cl-

・電気分解 → 陽極では陰イオンが引きつけられて電子が渡されて原子(分子)に、陰極では陽イオンが引きつけられて電子を受け取って原子(分子)になる

(例)塩化銅の電気分解(陽極:2Cl→Cl2+2e、陰極:Cu2++2e→Cu)

タイトルとURLをコピーしました